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堀川の奇跡の一端が垣間見えます。
(2008-07-17)
公立高校でありながら、わずか数年で国立大学合格者数を30倍にし、『堀川の軌跡』と呼ばれた堀川高校の校長荒瀬克己さんによる書。
熱い教育者たちの想いがどのように高校を変えていくのか、生徒を変えていくのか、地域を変えていくのかということを見ていくことのできる本だと思います。
この学校の生徒は、いくつもの課題を抱え、部活もやり、学校行事に命を燃やす。おそらくどの高校生も大忙しなはずだが、それはそれは充実した高校生活を送っているんだろうなと感心させられます。
自分が高校生だったころ、これだけの情熱を持って多くのことに取り組めていたかというときっとそうではない。何でも中途半端にやってきてしまっている。
その点『堀川』の高校生たちのこの3年間の経験はとてつもなく大きいと思う。
こんな学校を作り上げた教育者たちの熱い想いに感動します。
最後に、そんな教育社の素晴らしい言葉。
一年の思うものは花を育てよ。
十年を思うものは木を育てよ。
百年を思うものは人を育てよ。
理想的な教育が何であるかがわかる。
(2008-04-02)
どのような改革が奇跡を生んだのかに興味があって読んだが、その辺りはあまりよくわからない。しかし、授業において論理的な展開が必要であること、単なる知識の詰め込みではなく探求精神を培うなど、教育のあり方には参考になるところがあった。
また、人は言葉を浴びて育つなど、教育の本質も垣間見える。
いじめ問題にも触れているが、それよりも改革に焦点を絞り、もっと詳細に説明して欲しかった。紙幅の割には多くのことに触れすぎている点が残念。
「堀川の奇跡」と呼ばれた高校の実践報告
(2008-02-03)
現在、京都市立堀川高等学校校長である荒瀬克己先生による「堀川の奇跡」と呼ばれた国公立大学の進学実績の大躍進を果たした教育実践の報告です。
京都の公立高校は、進学実績において私立高校に押されずっと長期低落傾向にあり、堀川高校もご他聞にもれず、厳しい状況に追い込まれていました。それがどのような経緯で変身し、国公立大学合格者を30倍にしたのか、全国の教育関係者から見学が引きも切らないようになったのは何故なのか、を知るには必須の本と言えるでしょう。
筆者の荒瀬先生は、本書で詳しく経緯を述べられていますが、10数年前、堀川高校での教育現場で改革の糸口を見つけ、京都市教育委員会に入ってから様々な改革の提案を行い、新しい堀川高等学校の立ち上げを提案し、98年から教頭先生として率先して教育改革のリーダーシップをとってこられました。2003年からは、校長先生としてより豊かで多面的な教育の実践に関わってこられ、それが各界で認められ、近年ではNHKの番組に登場するまでになっています。
シラバスの作成、大学でのゼミや研究活動と変わらない人文探求科と自然探求科。それを支える大学院生のTAを受けての探求基礎、スーパーサイエンスハイスクール指定による素晴らしい成果など、その実践と結実にはただただ頭が下がります。
「創業は易く守成は難し」とあとがきに書いてありますが、偏差値一辺倒の教育からは距離を置きながら、大学進学の大幅な向上を果たした訳ですから、今後今までと同じように挑戦者であり続けるのは難しい課題となるでしょうが、筆者の行動力を持ってして日本の中等教育のあり方も含めて進化させていただきたいと願っています。
「堀川の奇跡」の基盤は「余地教育(総合的学習の時間)」
(2007-11-25)
京都市立堀川高等学校の専門学科「探究科」が注目を集めている。
テーマを自分で設定し、調べ、学び、研究し、プレゼンテーション、
そしてその成果を論文にして残す。児童生徒は、自分の好きなことを
学んでいるときが最も伸びる。「堀川の奇跡」は、このことを実証している。
公教育の衰退は、目を覆うばかり。その中で、「堀川の奇跡」は一筋の光明。
総合的学習の時間(「堀川の奇跡」の基盤)は、公教育再生の起爆剤だったのに。
また日本は点数序列主義教育に舵を取った。「ゆとり教育」は絶対間違っていない。
点数序列主義は児童生徒のみならず教員をも巻き込む。
日本最高レベルの教員集団は鉄緑会の教師たち(知る人ぞ知る東京大学合格請負人)、
次は大手予備校人気講師、プロ家庭教師、予備校・塾講師=私立学校教師(自然淘汰
される)、そして最下位に来るのが公立学校教師(私立学校教師と違って身分保
障されているから「努力しない」「勉強しない」で通る)。
そんなにべたぼめするほどでもない
(2007-10-21)
私は京都の者なので、地元の番組でもよく堀川高校が取り上げられて、「あ、なんか自分のころとは全然違うな」という思いだ。
奇跡と呼ばれた学校、か。しかし、そんなに言うほどのものではないでしょう。本書にも述べられているように、いわゆる"奇跡"というやつを起こしているのは、堀川高校の"探求科"に入った連中のことであって、普通科はほとんど関係ありません。堀川のHPで進学実績を見れば分かります。なぜ"奇跡"が起きたのかというと、これも本書に述べられているように、"探求科"に京都中から、"できる連中"ばかり集めたからである。これ以前は、学校群制度があって、行きたい学校には、その学校のある地区に住んでいない限り、受験すらできなかった。だから、どうしても有名な高校は、誰でも受験できる"私立"しか無くなり、当然、家が裕福でなければ、有名高校に行けないという状況だったのである。その学校群制度を改革し、京都中から誰でも受験できるようにしたのだから、優秀な連中を水滸伝の梁山泊のように、中学では成績がトップクラスの連中を一同に集めたのだから、一流大学への進学率が上がって当然である。京都の公立高校の入学制度のひどさは京都の人間しか分からんでしょう。ただ、堀川にはこれからもがんばってほしい。地元の番組で取り上げられていたのだが、京都の有名私立の○南や、某K塾なんかが、「堀川の躍進など所詮は一過性・・・」などと因縁をつけている。というか、これは公立から、東大・京大など一流大学に行かれてしまうと、○南やK塾は儲からなくなって困るからである。奇跡も10年・20年続けば"普通"のことになるだろう。
公立の中高一貫校というのが全国に出来ているが、もし近い将来、「堀川高校付属中学」なんてのが出来たら、進学実績はさらにアップするのではないだろうか?
また、P172に「まじめな取り組みを評価せよ」と書かれているがそりゃそうだ。まじめに勉強しているだけでいじめに遭い、読書をすれば、「きしょい、きもい」と女子から言われるような状況。堀川がどうかは分からないが、おそらくこういうことはないでしょう。「学校は勉強するところである!学校とは本来こうあるべきだ!」ということを言ってる本書は評価が星100個でも足りないくらいだ。

