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大学は生まれ変われるか―国際化する大学評価のなかで (中公新書)
カスタマーレビュー ![]()
大学の置かれた現状を概観
(2008-11-08)
少子化による大学全入時代、ゆとり教育による学力低下、学生気質の変化、COE等の競争激化など、大学が置かれている現状を様々な観点から概観している。マスコミとして教育問題を取材し続けてきた著者だけに、主な論点をバランスよくとりあげている。また、2001年出版の本であるが、内容もそれほど古い感じがしない。
ただ、多くの項目をとりあげているため、一つひとつの項目はそれほど深く記述されているわけではない。また、今後の大学のあり方も、全10章の中で、最終章「サバイバルに向けて」でとりあげているほかは、あまり記述がない。
平易で読みやすい本であり、「現状を概観する」という意味ではとても良い本と思う。
少子化に伴う大学全入時代について考えさせられるルポタージュ
(2007-08-08)
少子化に伴う、「大学全入時代」。ずいぶん先の話だと思っていたが、2年後09年度にやってくる。
必死に学生募集を行う私立大学、また法人化により変わりつつある国立大学をなどを追ったルポタージュだ。
01年度出版のため最近のデータではないが、読み応えあり。
大学という看板
(2004-08-28)
「学ぶ能力のない人は大学に行くべきでない」という題目に関して議論があるが、実際は、「学ぶ意志のない人大学に行くべきでない」で考察した方が、問題になっている底辺校の議論に適切な帰結が得られそう。本書でも勉学意欲減退による「消極的退学」を挙げているが、底辺校では、初期値の段階で意欲はなく、社会の一種の避難所になっているだけである。大学を外から観察し、さまざまな問題点を、まずは学生の保護者が「大学」について考えてもらいたい。実質的に大学として機能していないところは、大学の看板を下ろすべきでしょう。寿司の握れない寿司屋は、ダメでしょう?!
真のサバイバルとは?
(2002-07-16)
本書は、現在日本で起こっている大学運営に関する現状把握のために読むにはかなり質が高く、良書であると思える。流石新聞社で教育関係の記者を長年やってきた著者だけあり、新聞社的な捕らえ方と言う意味では旬な本である。
しかし、私自身海外の大学に勤務する者の立場として考えると、著者にボーダーレス化の概念が備わっているのか甚だ疑問である。本書は単に「沈みかかったタイタニック号の中で席の入れ替えをしている状態を克明に記録している」ように思えてならない。すなわち、本書の題名である「大学サバイバル」をどう行っていけばよいのか?に対するアプローチが、古い大学の概念の中だけでグルグル周っているように感じるのである。
学生からの教授への評価システム、ネットを使用した海外の大学との提携(衛星放送を利用したMBA取得システム)、イギリス式のエリート養成教育か、アメリカ式の産業競争社会への大学の組み込みか・・・日本の大学がサバイバルしていくには、本書であまり触れていないドラスティックな意識改革こそ必要なのではないだろうか。
著者が卒業したという早稲田(政経学科)とライバルの慶応に関する章は、本書の全体トーンとしての大学の客観的現状把握には馴染まない章であるように感じた。実はその章が一番面白く読めたのであるが、客観性を欠いたその章自体は別の著作にすべきだろう。
大学が直面するさまざまな厳しい状況を概観するのに優れた一冊
(2002-05-14)
学生が全員大学へ入学できる「全入時代」の兆し、大学側の学生募集、学生の学力低下、国立大学の法人化、大学合併、岐路に立つ短大・女子大、ビジネススクール創設、オンライン大学などなど、昨今耳にすることの多い話題を豊富にまとめてあります。新聞記者の立場から実際の取材に基づいおり、実際にどんな議論がなされているのか、大学当事者の本音はどんなところにあるのかなども知ることもできます。大学が直面するさまざまな厳しい状況を概観するのに優れた一冊。最後に、著者の提言として、(1)大学の機能分化を推進する、(2)エリート教育をタブー視しない、(3)技能育成型の大学をつくる、(4)秋季入学が大学入試を変える、といった案が示されている。

